毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

象徴的な意味があった。
これから起こる戦い。
避けられない対決。
嵐のような試練。
鈴音も暗雲を見つめた。
「でも、乗り越えます」
皇帝の手を握る。
「一緒なら、乗り越えられます」
皇帝は頷いた。
「ああ。一緒なら」
二人は立ち上がった。
茶器を片付ける。
雷鳴がまた聞こえた。
今度は、少し近い。
風が強くなってきた。
茶の葉が激しく揺れる。
「戻ろう」
皇帝が言った。
鈴音は頷いた。
茶器を持ち、茶園を後にした。
手を繋いだまま、歩く。
暗雲が空を覆い始めた。
太陽の光が弱くなる。
茶園の緑が、暗く見えた。
茶室に着く頃には、空はほとんど暗くなっていた。
雨が降り始めた。
最初は小雨。
でもすぐに、激しくなった。
雷が鳴り響く。
稲妻が空を切り裂く。
皇帝は窓の外を見た。
「本当に、嵐になったな」
鈴音は皇帝の隣に立った。
「大丈夫です」
皇帝を見上げる。
「この嵐も、必ず過ぎ去ります」
皇帝は鈴音を抱き寄せた。
「お前がいれば、何も怖くない」
二人は抱き合ったまま、嵐を見つめた。
雨が激しく窓を叩く。
雷が轟く。
でも茶室の中は、温かかった。
二人がいる限り。
愛がある限り。