毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

皇帝は鈴音を見た。
「本当に?」
「はい」
鈴音は力強く頷いた。
「龍鎮茶を完成させて、陛下を自由にします。そうしたら、毎日こうして過ごせます」
皇帝の目が潤んだ。
「お前がいれば、朕は人でいられる」
鈴音の肩に手を置く。
「お前だけが、朕を人に戻してくれる」
鈴音の頬に触れた。
優しく、温かく。
「愛している」
その言葉に、鈴音の胸が熱くなった。
涙が溢れた。
「私も」
声が震える。
「私も、愛しています」
皇帝は鈴音を引き寄せた。
抱きしめる。
強く。
鈴音も皇帝を抱きしめた。
二人の鼓動が重なる。
温もりを感じる。
生きている実感。
愛している実感。
「ずっと一緒にいよう」
皇帝が囁いた。
「朕から離れないでくれ」
「はい」
鈴音は頷いた。
「ずっと、一緒です」
抱擁を解いた後、二人は手を繋いだ。
空を見上げる。
青空が広がっていた。
でも、遠くに暗い雲が見えた。
西の空。
黒い雲が、ゆっくりと近づいてくる。
雷鳴が聞こえた。
ゴロゴロと。
まだ遠い。
でも確実に、こちらに向かっている。
皇帝が眉をひそめた。
「嵐が来る」
その言葉は、天候だけを指しているのではなかった。