毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

「でも、種は残っているかもしれない」
希望を捨てなかった。
その夜、皇帝が茶室を訪れた。
「龍鎮茶について、知りたいことがあると聞いた」
鈴音は古文書を差し出した。
「これを、ご覧ください」
皇帝は本を受け取り、読み始めた。
長い沈黙。
ページをめくる音だけが響く。
やがて皇帝は顔を上げた。
「龍鎮茶……」
その目には、驚きと希望が宿っていた。
「本当に、こんなものが」
鈴音は頷いた。
「一緒に研究しませんか。この古文書を読み解いて」
皇帝は一瞬躊躇したが、やがて頷いた。
「分かった」
二人は並んで座った。
古文書を間に置き、共に読み進める。
鈴音が指で文字を追う。
「ここに、銀龍茶の特徴が書いてあります。月光を浴びて育ち、葉が銀色に光る」
皇帝が続きを読む。
「北の山脈、標高三千尺の地に自生していた、と」
二人は顔を見合わせた。
「北の山脈なら、場所は特定できる」
皇帝が言った。
鈴音は頷いた。
「もし種が残っていれば、育てられるかもしれません」
希望が膨らんだ。
それから毎晩、二人は茶室で古文書を研究した。
龍鎮茶の配合。
銀龍茶以外に必要な材料。
煎じ方。温度。時間。