毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

そして、涙が溢れた。
静華は茶碗を置いた。
両手で顔を覆う。
肩が震えている。
泣いていた。
「私も……」
震える声。
「辛かった」
初めての本音だった。
「ずっと、一人だった」
涙が止まらない。
「誰も信じられなくて、誰にも頼れなくて」
声が途切れる。
「怖かった。ずっと怖かった」
梅香が立ち上がった。
静華の隣に座る。
手を握った。
「あなただけじゃない。私たちもそうだった」
蘭芳も立ち上がった。
静華のもう一方の手を握る。
「みんな、同じだった」
他の妃たちも、次々と立ち上がった。
静華の周りに集まる。
手を重ねる。
「もう一人じゃない」
紫苑が言った。
「私たちがいる」
蓮華が続けた。
「一緒に生きよう」
菊花が微笑んだ。
静華は顔を上げた。
涙で濡れた顔。
でも、その表情は穏やかだった。
「ありがとう……」
小さく呟いた。
妃たちは静華を抱きしめた。
みんなで。
温かい抱擁。
鈴音は少し離れたところで見守っていた。
胸が熱くなった。
やがて妃たちは円卓に戻った。
でも今度は、距離が近かった。
互いに寄り添うように座る。
笑顔が溢れた。
「楽しいわね」
蘭芳が言った。