毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

「きっと、みんな喜びますね」
茶会の日が来た。
午後、妃たちが一人、また一人と茶室に現れた。
梅香が最初に到着した。
「鈴音」
笑顔で挨拶する。
次に蘭芳。
「わあ、花がたくさん」
嬉しそうに茶室を見回す。
紫苑、蓮華、菊花も続いて到着した。
みんな、リラックスした表情だった。
でも、最後の一人が来ない。
静華だ。
妃たちは円卓を囲んで座った。
一つだけ、空席がある。
静華の席。
「来ないのかしら」
蘭芳が呟いた。
その時、扉が開いた。
静華が立っていた。
三十代半ば。落ち着いた美貌。でも表情は冷たかった。
妃たちが息を飲む。
静華は茶室に入ってきた。
ゆっくりと。
円卓を見渡す。
その目は、警戒に満ちていた。
「いらっしゃいませ」
鈴音が立ち上がり、迎えた。
静華は鈴音を見た。
冷笑を浮かべる。
「何の茶番ですか」
その声は鋭かった。
「和解の茶会だなんて。皇太后様を裏切れとでも?」
妃たちが緊張する。
空気が張り詰めた。
鈴音は穏やかに微笑んだ。
「裏切りではありません。ただ、お茶を飲みに来てください」
静華は鼻で笑った。
「馬鹿らしい」
でも、座った。
空席に。
静華の席に。