毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

「届けてくれる?」
「はい」
翠蘭は招待状を受け取り、各妃の住まいへ向かった。
鈴音は茶室の準備を始めた。
まず、茶を用意する。
各妃の好みに合わせて、特別な茶を調合した。
梅香には安眠の茶。
蘭芳には美容の茶。
紫苑には胃を整える茶。
蓮華には不安を和らげる茶。
菊花には怒りを鎮める茶。
そして静華には……
鈴音は考えた。
静華は何に苦しんでいるのか。
香りで読み取ったことがある。
孤独だ。
深い、深い孤独。
皇太后派にいながら、本当は孤独だった。
誰も信じられない。誰にも心を開けない。
そんな孤独。
鈴音は静華のために、特別な茶を作った。
温かい茶。心を溶かす茶。
孤独を癒す茶。
次に、茶室を飾った。
花を摘んできて、あちこちに生ける。
白い菊。ピンクの牡丹。黄色の蘭。
色とりどりの花が、茶室を華やかにした。
そして、円卓を設置した。
大きな円卓。
全員が平等に座れる形。
誰が上座ということもない。
対等な席。
翠蘭が戻ってきた。
茶室を見て、目を輝かせた。
「お妃様、対等な席、素敵です」
鈴音は微笑んだ。
「ここでは、誰もが平等よ」
翠蘭は円卓を撫でた。