毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

「みんなで集まりたい」と言った蘭芳。
他の妃たちも。
不眠、美容、胃の不調、不安、怒り。
それぞれの苦しみを抱えていた妃たち。
でも今は、互いに支え合っている。
笑い合っている。
茶話会で手を取り合う妃たち。
あの光景が、鮮明に蘇った。
「私が……」
鈴音は呟いた。
「私が、きっかけだった?」
信じられなかった。
自分は、ただ茶を淹れていただけ。
ただ、人の苦しみを和らげたかっただけ。
でも、それが。
後宮全体を変えていた。
鈴音は立ち上がった。
窓の外を見る。
茶園が広がっている。
月明かりに照らされた茶の木々。
風に揺れる葉。
「分かった」
鈴音は呟いた。
「私の役割は」
茶碗を手に取る。
強く握りしめる。
「この後宮を、女性が輝ける場所にすること」
はっきりと言った。
「妃たちが、互いに支え合える場所に。侍女たちが、安心して働ける場所に。誰もが笑顔でいられる場所に」
茶碗を見つめる。
その中に、自分の顔が映っている。
でも今度は、歪んでいなかった。
真っ直ぐな顔。
決意に満ちた顔。
「そして、皇帝を救う」
声に力が込もる。