毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

「ずっと、ずっと辛かったですね」
涙が頬を伝う。
「お一人で、全てを抱えて」
皇帝は驚いたように鈴音を見た。
涙を流す鈴音を、じっと見つめた。
「なぜ……」
呟いた。
「なぜ、お前が泣く」
困惑した表情。
「朕のために……泣いているのか」
鈴音は頷いた。
涙を拭おうともせず、ただ泣いた。
皇帝は呆然としていた。
「初めてだ」
小さく呟いた。
「他人が、朕のために涙を流すのは」
その目が、僅かに潤んだ。
鈴音は涙を拭い、皇帝を真っ直ぐ見た。
「必ず」
はっきりと言った。
「必ず、龍を鎮める茶を作ります」
皇帝の目が見開かれた。
「あなたが自由に笑える日まで」
鈴音の声は、決意に満ちていた。
「感情を封印しなくても、人でいられる日まで。愛することも、憎むことも、喜ぶことも、悲しむことも。全て、自由にできる日まで」
涙を拭う。
「私は諦めません」
皇帝は言葉を失っていた。
ただ、鈴音を見つめていた。
長い沈黙の後、皇帝の唇が動いた。
「本当に……できるのか」
その声には、僅かな希望が宿っていた。
「はい」
鈴音は力強く頷いた。
「必ず」
皇帝の目が、初めて輝いた。
希望。