毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

昼下がり、茶室に訪問者があった。
第二妃・蘭芳だった。
華やかな桃色の衣装。髪には花の飾り。化粧も完璧だった。
でも、その表情は暗かった。
鈴音は茶室に迎え入れた。
「いらっしゃいませ」
蘭芳は無言で座った。
しばらく黙っていたが、やがて口を開いた。
「最近、皇帝様が私を見てくれない」
その声は沈んでいた。
「茶会でも、宴でも。私の方を見ようともしない」
蘭芳は懐から小さな鏡を取り出した。
自分の顔を映す。
じっと見つめる。
「老けたのかしら」
その目には不安が浮かんでいた。
「しわが増えた気がする。肌の艶も失われて」
鏡を握りしめる。
「私はもう、魅力がないの?」
鈴音は蘭芳の隣に座った。
「そんなことありません」
「でも……」
蘭芳は鏡を見続けた。
「後宮には若い娘がたくさんいる。私はもう二十八。古い女よ」
自嘲的な笑い。