毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

でも今度は、嬉しさの涙だった。
「ありがとう」
梅香は鈴音の手を握った。
「本当に、ありがとう」
その手は温かかった。
鈴音も梅香の手を握り返した。
「いつでも、いらしてください」
朝茶を飲み終えた後、梅香は立ち上がった。
もう、昨夜のような憔悴した様子はなかった。
表情は明るく、目には生気が戻っていた。
「茶妃」
梅香は鈴音を見た。
「いえ、鈴音」
初めて名前で呼んだ。
「茶会、また開いていい?」
鈴音は驚いた。
「もちろんです」
「今度は」
梅香は微笑んだ。
「本当の茶会を」
その笑顔は、心からのものだった。
嫌がらせのための茶会ではなく。
本当に茶を楽しむための茶会。
鈴音は頷いた。
「喜んで」
梅香は茶室を出る前に、もう一度振り返った。
「他の妃たちも、連れてきていい?」
「ぜひ」
鈴音は微笑んだ。
「皆様をお待ちしています」
梅香は満足そうに頷き、去っていった。
一人残された鈴音は、朝日を見つめた。
絆が生まれた。
小さな、でも確かな絆が。
梅香の心を開くことができた。
これが始まりだ。
他の妃たちも、きっと心を開いてくれる。
茶の力を信じて。
鈴音は茶園に出た。