毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

梅香は茶碗を飲み干した。
それから、深い息を吐いた。
「楽になった」
不思議そうに自分の身体を見る。
「身体が、軽い」
鈴音は微笑んだ。
「もう少し、ゆっくりしていってください」
梅香は頷いた。
縁側に移動し、池を眺める。
月が水面に映っている。
静かな夜。
梅香の瞼が、重くなっていった。
「あら……眠く……」
そのまま、梅香は横になった。
穏やかな寝息。
眠りについたのだ。
鈴音は毛布を持ってきて、梅香にかけた。
月明かりの中、安らかに眠る梅香。
その顔には、苦しみの影はなかった。
朝日が昇り始めた。
東の空が、オレンジ色に染まる。
鳥のさえずりが聞こえる。
梅香が目を覚ました。
ゆっくりと目を開け、周囲を見渡す。
鈴音は朝茶を淹れていた。
「おはようございます」
梅香は身体を起こした。
そして、自分の手を見つめた。
「私……眠った?」
信じられないという表情。
「ええ」
鈴音は微笑んだ。
「ぐっすりと」
梅香は窓の外を見た。
朝日が茶園を照らしている。
緑の茶の木が、朝露に輝いている。
「何年ぶりだろう」
梅香は呟いた。
「こんなに眠れたのは」
涙が溢れた。