毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

深夜、茶室の扉を叩く音がした。
鈴音は目を覚ました。月明かりが部屋を照らしている。
もう一度、ノックの音。
鈴音は起き上がり、扉に向かった。
「どなたですか」
「私よ」
低い声。聞き覚えがあった。
扉を開けると、梅香が立っていた。
一人で。侍女も連れずに。
鈴音は驚いた。
梅香の様子がおかしかった。
髪は乱れ、目の下には深いくまができている。顔色は悪く、唇は血の気を失っていた。
憔悴していた。
「第一妃様」
「入っても、いい?」
弱々しい声だった。
鈴音は頷き、梅香を迎え入れた。
「どうぞ」
梅香は茶室に入り、床に座り込んだ。
まるで力尽きたように。
「眠れない」
呟くように言った。