毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

朝、翠蘭が招待状を持ってきた。
白い紙に流麗な筆跡。差出人は第一妃・梅香。
「明日の午後、茶会にご参加ください」
短い文面。でもその裏に何があるのか、読み取れなかった。
翠蘭は不安そうに鈴音を見た。
「お妃様、これは罠かもしれません」
「そうかもしれないわね」
鈴音は招待状を畳んだ。
茶園の緑が、風に揺れている。
「でも、行くしかない」
翠蘭を振り返る。
「断れば、さらに関係が悪化する。行って、話をする。それしかない」
翠蘭は唇を噛んだ。
「分かりました。でも、お気をつけて」
鈴音は微笑んだ。
「大丈夫。茶会なら、私の得意分野よ」
覚悟を決めた。
何が待っていても、受け止める。
翌日の午後、鈴音は梅香の茶室を訪れた。
第一妃の住まいは後宮で最も豪華な場所にあった。
門をくぐると、精巧な庭園が広がっている。
梅の木が植えられ、小川が流れている。
奥に見える建物は、まるで宮殿のようだった。
侍女に案内され、茶室に通された。
扉が開く。
鈴音は息を飲んだ。
豪華、という言葉では足りなかった。
広い部屋。床には絹の絨毯。壁には金の装飾。天井には精巧な彫刻。
そして、円卓を囲んで座る六人の妃たち。
梅香が中央に座り、その両側に他の妃たちが並んでいた。
全員が鈴音を見ていた。
冷たい視線。
表面的な笑顔の下に、敵意が隠されている。
鈴音は一礼した。
「お招きいただき、ありがとうございます」
梅香が手で席を示した。
「どうぞ」