毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

龍が消えたことを知って。
希望が戻ったことを知って。
後宮に、再び人の声が響き始めた。
笑い声ではなかった。
まだ、不安と疲労の声だった。
でも、生きている声。
未来を信じる声。
鈴音は皇帝を抱いたまま、立ち上がった。
妃たちが支える。
みんなで、皇帝を運ぶ。
安全な場所へ。
休める場所へ。
歩きながら、鈴音は心の中で誓った。
必ず、この後宮を再建する。
もっと美しく。
もっと優しく。
誰もが笑顔でいられる場所に。
そして、皇帝と共に。
新しい未来を作る。
自由な未来を。
愛に満ちた未来を。
太陽が西に傾き始めていた。
長い一日が、終わろうとしていた。
でも、新しい明日が待っていた。
希望に満ちた明日が。
鈴音は微笑んだ。
疲れていた。
傷だらけだった。
でも、心は満たされていた。
やり遂げた。
本当に、やり遂げた。
これが終わりではない。
始まりだ。
新しい物語の、始まり。
夕日が、後宮を赤く染めていた。
焼け跡も。
瓦礫も。
疲れた人々も。
全てを、優しく照らしていた。
明日への希望を込めて。