毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

その光の中で、何かが変わっていく。
龍から、人へ。
戻っていく。
やがて光が弱まった。
消えていく。
そこに立っていたのは、人の姿だった。
煌龍が、人に戻っていた。
金色の龍袍は裂けている。
身体は傷だらけ。
でも、確かに人だった。
黒い瞳。
人の瞳。
皇帝は鈴音を見た。
その目には、涙が溢れていた。
「鈴音......」
声が震える。
「ありがとう......」
力が尽きたように、倒れた。
「陛下!」
鈴音は駆け寄った。
皇帝を抱き起こす。
軽かった。
龍化で、全ての力を使い果たしたのだ。
皇帝は鈴音の腕の中で、微笑んだ。
穏やかな笑顔。
初めて見る、本当に安らかな笑顔。
「やっと......」
囁くように言った。
「やっと、自由になれた」
涙が溢れる。
でも、苦しみの涙ではなかった。
安堵の涙。
喜びの涙。
「龍が......消えた」
皇帝は自分の手を見た。
「感じない。龍の声が、もう聞こえない」
鈴音も涙を流した。
「おかえりなさい」
皇帝を抱きしめる。
「おかえりなさい、煌龍」
皇帝は鈴音を抱き返した。
弱い力だったが、温かかった。
「ただいま」