毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

「私たちも行く」
蘭芳が続けた。
「一緒に戦うわ」
妃たち全員が、頷いた。
鈴音は走り出した。
茶園へ。
妃たちも後を追った。
龍が上空で旋回している。
炎が降り注ぐ。
でも鈴音は走り続けた。
希望を捨てなかった。
まだ戦える。
まだ、救える。
必ず。
茶園が見えてきた。
幸い、まだ燃えていなかった。
銀龍茶の木が、そこにあった。
鈴音は茶の木に駆け寄った。
でも、その時。
龍が気づいた。
鈴音たちを見つけた。
金色の目が、鈴音を捉えた。
龍が降下してくる。
巨大な影が、茶園を覆った。
妃たちが悲鳴を上げた。
でも鈴音は、茶葉を摘み続けた。
手が震える。
でも止めなかった。
必死に、茶葉を摘む。
龍が口を開けた。
炎を吐こうとしている。
「お妃様!」
翠蘭が叫んだ。
でも鈴音は振り返らなかった。
ただ、茶葉を摘み続けた。
これが最後かもしれない。
でも、諦めない。
絶対に。
炎が噴き出す直前、妃たちが鈴音の前に立った。
全員が腕を広げて、盾になった。
「通さないわ!」
梅香が叫んだ。
龍の炎が、妃たちに向かって放たれようとした。
絶体絶命の瞬間。
全てが、終わろうとしていた。