毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

まだ、終わっていない。
でも。
「茶葉を取りに行っても、龍が......」
その時、龍がまた咆哮した。
グオオオオオオ!
炎が雨のように降り注ぐ。
建物が次々と崩れる。
人々の悲鳴。
「どうすればいいの......」
鈴音は呟いた。
「どうすれば、あの人を......」
梅香が鈴音の頬を叩いた。
パシン。
鈴音は驚いて梅香を見た。
梅香は涙を流していた。
「しっかりして!」
叫ぶように言った。
「あなたは、諦めない人でしょう!」
蘭芳が続けた。
「私たちを変えた人でしょう!」
紫苑が頷いた。
「後宮を変えた人でしょう!」
蓮華が微笑んだ。
「皇帝様を救うって、誓ったでしょう!」
菊花が拳を握った。
「なのに、ここで諦めるの?」
静華が鈴音の手を握った。
「私たちがいるわ。一人じゃない」
鈴音は妃たちを見渡した。
みんな、泣いていた。
でも、目は強かった。
諦めていなかった。
自分を信じてくれていた。
鈴音は涙を拭った。
深呼吸をする。
そして、立ち上がった。
「ありがとう」
妃たちに微笑みかけた。
「もう一度、やる」
茶器を抱える。
「茶園に行って、茶葉を取ってくる」
梅香が頷いた。