毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

「私なんかが、皇后に……」
「お前以外にいない」
皇帝は強く言った。
「お前こそが、朕の皇后だ」
鈴音は涙を拭った。
深呼吸をする。
そして、皇帝を真っ直ぐ見つめた。
「一つ、条件があります」
皇帝は首を傾げた。
「条件?」
「龍を鎮めてから」
鈴音ははっきりと言った。
「龍鎮の茶を完成させて、陛下が自由になるまで待ってください」
皇帝は驚いた顔をした。
「なぜだ」
「皇后になるということは、陛下と対等に立つということです」
鈴音は皇帝の手を握った。
「でも今のままでは、陛下は龍に縛られている。自由ではありません」
涙が頬を伝う。
「あなたが自由になって、本当の自分で私を愛してくれる日まで待ちたいんです」
皇帝は長い沈黙の後、頷いた。
「分かった」
その声は、穏やかだった。
「待つ」
鈴音を抱き寄せる。
「お前が龍鎮の茶を完成させるまで、朕は待つ」
鈴音は皇帝の胸に顔を埋めた。
「ありがとうございます」
二人は抱き合った。
月明かりの中で。
銀龍茶の前で。
その時、茶園の陰から人影が現れた。
妃たちだった。
梅香、蘭芳、紫苑、蓮華、菊花、静華。
全員が、隠れて見ていたのだ。