毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

一週間後、奇跡が起きた。
銀龍茶の芽が出たのだ。
鈴音が朝、茶園を訪れると、小さな緑の芽が土から顔を出していた。
双葉。
柔らかく、か弱い芽。
でも確かに、生きていた。
「芽が出た……」
鈴音は膝をついた。
芽に触れる。
生命の息吹。
涙が溢れた。
「ありがとう」
芽に向かって囁いた。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
それから、銀龍茶は順調に成長した。
毎日、目に見えて大きくなる。
双葉から本葉へ。
茎が伸び、葉が増える。
鈴音は毎日、朝と夕に水をやった。
丁寧に、愛情を込めて。
皇帝も毎日、様子を見に来るようになった。
朝、公務の前に、夕、日が沈む前に、必ず茶園を訪れる。
二人の穏やかな日課になった。
「今日も、大きくなったな」
皇帝が嬉しそうに言う。
「はい。順調です」
鈴音は微笑む。
二人は並んで、銀龍茶を見つめる。
小さな葉が、風に揺れている。
銀色の光を帯びた葉。
月光を宿したような、美しい色。
「本当に、銀色なんだな」
皇帝が感嘆する。
「伝説通りだ」
鈴音は葉に触れた。
柔らかい感触。
「この茶が、陛下を救います」
皇帝は鈴音を見た。
「信じている」
その目には、深い信頼があった。
満月の夜だった。