毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

「気持ちいい」
菊花が土を握りしめた。
「生きてるって、こういうことね」
静華が微笑んだ。
「みんなで何かを作る。素敵なことだわ」
鈴音は妃たちの笑顔を見つめた。
美しかった。
泥まみれでも、いや、泥まみれだからこそ本当の美しさが、輝いていた。
「種を植えましょう」
鈴音が言った。
妃たちは耕した土の前に集まった。
円を描くように並ぶ。
鈴音は銀龍茶の種を取り出した。
一粒、また一粒。
慎重に、土に埋める。
妃たちも見守る。
静かに、祈るように。
全ての種を植え終えた。
「この茶が、皇帝を救う」
鈴音は種を植えた場所に手を置いた。
「必ず、育ててみせる」
梅香がバケツで水を汲んできた。
「水をやりましょう」
一人ずつ、水をやる。
丁寧に、愛情を込めて。
「育って」
蘭芳が囁いた。
「大きく、強く育って」
紫苑が続けた。
「皇帝様を救って」
蓮華が祈った。
「この後宮を守って」
菊花が願った。
「みんなの未来を照らして」
静華が微笑んだ。
「希望の芽を、咲かせて」
鈴音が最後に水をやった。
「お願い」
目を閉じる。
「必ず、芽を出して」
風が吹いた。
優しい風。