毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

「これ……種じゃない?」
梅香が袋を開けた。
中には、小さな種が入っていた。
銀色に光る種。
月光を宿したような、不思議な輝き。
鈴音は息を飲んだ。
種を手に取る。
確認する。
形、大きさ、色。
古文書で見た記述と一致する。
「銀龍茶の種だ!」
鈴音の声が震えた。
「本当に、銀龍茶の種!」
妃たちが驚いた。
「どうして、ここに?」
「刺客が落としていったのよ」
鈴音は種を握りしめた。
「罠だった。でも、本物の種を持っていた。襲撃の時、落としていったんだわ」
蘭芳が手を叩いた。
「奇跡ね」
「そうよ」
鈴音は空を見上げた。
青い空。
雲一つない、澄み切った空。
「これが天の導き」
涙が溢れた。
でも今度は、悲しみの涙ではなかった。
喜びの涙。
希望の涙。
「全てを失ったと思った。でも、最も大切なものが残っていた」
種を胸に抱く。
「この種が、皇帝を救う」
妃たちは鈴音を囲んだ。
みんな、微笑んでいた。
「じゃあ、植えましょう」
梅香が言った。
「今すぐに」
紫苑が頷いた。
「茶園を再建しましょう」
蓮華が提案した。
「手伝います」
菊花が力強く言った。
「全員で」
静華が微笑んだ。