毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える

しらを切る。
「翠蘭とは、あなたの侍女のこと? 何かあったの?」
その演技は完璧だった。
まるで何も知らないかのような。
鈴音は拳を握りしめた。
「昨夜、茶園で襲撃がありました。翠蘭は重傷を負いました」
「まあ、恐ろしい」
皇太后は驚いた顔をした。
「でも、それが私と何の関係が?」
鈴音は皇太后を睨んだ。
「あなたの命令でしょう」
皇太后の表情が変わった。
冷笑を浮かべる。
「証拠は?」
その声には、余裕があった。
「証拠もなしに、皇太后を非難するとは。大胆なことね」
鈴音は一歩近づいた。
「証拠はなくても、分かっています。あなたが茶室を燃やし、翠蘭を傷つけた」
皇太后は立ち上がった。
鈴音を見下ろす。
「仮に私がやったとして、何だというの?」
開き直った態度。
「あなたは、出過ぎた真似をした。国賓の前で目立ち、皇帝の寵愛を受け、後宮で力を持った」
扇を開く。
「私の茶が怖いのですか」
鈴音は真っ直ぐ見返した。
「茶で人の心を動かす。後宮を変える。それが怖いのですか」
皇太后の目が細まった。
「怖い? 馬鹿な」
でもその声には、僅かな動揺があった。
「あなたなど、いつでも消せる」