「茉央」
隣で瑞希さんが小さく呼ぶ。
「終わったね」
「……はい」
返した私のその声に、おそらく様々な感情がぐちゃぐちゃに混ざっていることを、瑞希さんは気づいているだろう。
彼女はそのことを指摘せず、ただ私の資料をひょいと見た。
「でも、…よかった。こうして通ったんだから」
その声色はやわらかい。
何についての“よかった”なのか、わざわざ聞かなくても分かった。
これまで頑張ってきたものが、報われる瞬間だから。
ちゃんと笑えて返せていたかは、自信がない。
会議室の向こうでは、マーケ部とデザイン部がもう次の話をしていた。
朝倉課長も立ち上がって、高橋さんに何か短く指示を出している。
その横顔を見て、すぐに視線を落とす。
見れば見るほど、終わることを実感してしまいそうだった。
資料を胸の前で揃えて立ち上がる。
営業としてやるべきことは、たくさんある。ここからが本番だ。
それなのに。
足だけが、ほんの少し重かった。
隣で瑞希さんが小さく呼ぶ。
「終わったね」
「……はい」
返した私のその声に、おそらく様々な感情がぐちゃぐちゃに混ざっていることを、瑞希さんは気づいているだろう。
彼女はそのことを指摘せず、ただ私の資料をひょいと見た。
「でも、…よかった。こうして通ったんだから」
その声色はやわらかい。
何についての“よかった”なのか、わざわざ聞かなくても分かった。
これまで頑張ってきたものが、報われる瞬間だから。
ちゃんと笑えて返せていたかは、自信がない。
会議室の向こうでは、マーケ部とデザイン部がもう次の話をしていた。
朝倉課長も立ち上がって、高橋さんに何か短く指示を出している。
その横顔を見て、すぐに視線を落とす。
見れば見るほど、終わることを実感してしまいそうだった。
資料を胸の前で揃えて立ち上がる。
営業としてやるべきことは、たくさんある。ここからが本番だ。
それなのに。
足だけが、ほんの少し重かった。



