王子は姫を愛して止まない


私は布団にダイブして目を閉じた。

どこからか落ち着いた綺麗な耳触りの良い声が聞こえて滝谷くんかと思ったけれど、そこには懐かしい人がいた。

黒い髪の毛が肩まで伸びて、少し紺色がかった瞳がレンズの奥にあって、少し細身な彼。

そういえばあの人だけは私と仲良くしてくれたなぁ。
素っ気なかったけど、隠しきれない優しさもあって、素敵だった。

きっとあの時私はあの人が好きとまではいかなくても、気になってたと思う。

ただ側にいてくれて、連絡先交換したけど、名前がふざけてるなぁってちょっと面白かった。

だから、彼の名前を私は知らない。
聞いておけば良かったかもしれないなぁ。