王子は姫を愛して止まない

私の言葉に彼は目をぱちくりとさせて「はぁ」と大きくため息を吐いた。

「俺別に嬉しくないけど、返すのもめんどくさいから放置してるだけだよ」

その言葉にハッとする。
確かにあまり彼の声を取り巻きの中から聞いたことはないかもしれない。

「そう…だったんだ。ごめん、嫌な態度とって」

私が素直にペコリと謝ると、彼は満足そうに微笑んで、首を振った。

「誤解がとけたならそれで良いから。気にしないで」

思っていたより優しい人らしい。
忘れ物を手にした彼は、歩みを進めて扉の前にたった。