王子は姫を愛して止まない

「帰ろうか」

そう微笑みかけると、こちらを向いてくれなくなってしまった。


校門を出て、帰路につき、歩道を歩いていると、真面目な顔つきで姫乃が口を開いた。

「滝谷くん。私、まだ好きとか嫌いとか恋愛的な意味で他人に感じたことなくて…」

姫乃が苦しそうな顔をする。

「その、気持ちに応えられる自信がない。ごめんなさい、滝谷くん」

…まるでフられているかのようになっているけれど、そんなことを俺が許すわけないでしょ?

俺はそっと姫乃の頬を包むように右手を添えた。