王子は姫を愛して止まない

ただ両親への嫌悪は2人とも拭えていない。

振り回してばかりだ。

俺は母さんに引き取られて、兄さんは父さんに引き取られた。

兄さんとの仲は悪くなかったし、引っ越しもしんどい。
名義を変えるのだって大変なのに。

俺が目を伏せていると、彼女が口を開いた。

気を遣わせてしまったかと思ったけれど、そうではなかった。

姫乃の表情は明るくて、面々の微笑みがそこに咲いていた。

「ごめんね。大切なことを言ってくれたんだと思うんだけど、私、ちょっと嬉しかった」

嬉しかった…?