王子は姫を愛して止まない

…帰らないのかな?

「ね…」

話しかけようと思ったけど、プルルルルという電話の音が聞こえて、パッと口を閉じた。

滝谷くんのスマホが机の上で鳴っている。
電話をかけているようだ。
けれど、彼は私の小さな声に気付いたらしく、こちらをじっと見ている。

「どうしたの?」

私はふるふると首を振って、やんわり笑みをつくって、電話でしょ?とジェスチャーをすると、彼はより一層ムスッとして手招きしてきた。

「こっち来て?」

「…え…?」

よく分からないけれど、とりあえず呼ばれるままに駆け寄った。

「どうかした?」

「…友達、今日はセンパイと帰るの?」

スマホはずっとプルル…と音を鳴らし続けている。
なかなかでないようだ。