王子は姫を愛して止まない

私が俯いているうちに、教室はシンと静まり返っていて、薄い無地のカーテンから夕日が差し込んでいた。

時計を見て私も帰ろうといそいそと自分の席に戻ろうと振り返ると、目を見開いた。

「まだ、居たんだ…」

そこには机に頬杖をついた滝谷くんがいた。
てっきりもう帰っているものだと思っていたから驚いた。

「友達取られてへこんでるの?」

「うっ…」

つまりそういうことだろう。ぐぅの音も出ない。

「穂山先輩って…穂山(ひろ)?」
「…聞いてたの?」