王子は姫を愛して止まない

「ありがとう。姫乃の分は…?」

「あ~えっと…私は良いかなって…」

こんなに喉が枯れているのに、彼女は飲みたいと思わなかったらしい。思えなかったのかもしれないけれど。

それだけ、衰弱しているのだ。

俺は姫乃の方を見た。

「姫乃、聞いて。俺ね…」

姫乃の瞳はただ底の無い暗闇が広がっている。

けれど、どんな姿の姫乃でも合えたことがこんなにも嬉しい。話せることが嬉しい。

彼女はコクりと頷く。


「姫乃が好き」


姫乃の目がじわりと見開かれる。