王子は姫を愛して止まない

実風くんの方を見るといつも通りの笑顔。
私はぎゅっと握ってスカートにシワを作った。

「昨日はずっと一人だったよ。姫乃のこと考えてた」

「…そっ…か…ありがとう」

私はショックでそれ以上言葉が出てこなかった。



お昼休みになった。

もう実風くんと一緒にご飯を食べるのは当たり前のようになっていたけれど、今日の私は気が気じゃなかった。

心にもないことを口走って実風くんに失望されてしまうのではないか、亀裂が生まれてしまうのではないか…。

授業にも身が入らず、不安が募る。

「姫乃行こう?」

いつも通りの優しい声音の実風くんに笑みを向ける。

微笑んで頷こうとした瞬間…

「雪下さーん」

一人の女子生徒が私の名前を呼んだ。