王子は姫を愛して止まない

「ねえ、雪下(ゆきした)さん、なんで俺は今まで彼女を作らなかったのに、君を彼女にしたと思う?」

っ…先ほどよりも声がワントーン低くて怒っていると感じる。

私は必死に言葉を探した。

「な、なんでって…私なら後で突き放しやすかったとか、全く気にならないどうでも良い対象だからとか…?」

私が恐る恐る俯きがちに滝谷くんを見上げると。

滝谷くんは大きく目を見開いて、はぁ、と目を伏せてため息を吐いた。

もう一度こちらを見てきた目はさっきとうってかわってとても真剣な眼差しで、どこか不安げに感じられた。