王子は姫を愛して止まない

泣いていたのか目元が赤くなっていて、自分が情けないのに、姫乃が見れて嬉しい。

背後で扉がバタンと閉じて、玄関先で突然抱き締められた姫乃は頭が混乱しているようだった。

「た、滝谷くん!どうしたの?」

「名前で呼んでくれないの?」
さっきは呼んでくれたでしょ?と付け足すと、カアアッと真っ赤に染まっていく姫乃が可愛すぎる。

それでもきゅっと俺の袖をつまんで頑張ってくれる。

「実風くん…」