王子は姫を愛して止まない

『っえ、来ちゃダメだよ!滝谷くんにも用事がっ…』

俺は店内に踵を返した。

「姫乃が寂しがってるのに優先しなきゃいけない用事なんてこの世にないよ」

『っでも…みかぜくんっ…でもっ…』

「すぐ着くから待っててね」

俺は通話を切ると、ズンズンと店内に入り、荷物を持った。

「すいません帰ります」

すると、相手の女性は目をぱちくりとさせる。

「あら突然ね」

俺はいてもたってもいられず、軽く頭を下げるとすぐに走り出した。