アラフォーバツイチ、花ざかり。

 予想していなかった告白に、危うくカップを落としそうになった。

 今も愛してる……? もう一度やり直す!? そんなことできるわけがない。

「ま、待って、なに言ってるの!? やり直すことなんてできないよ」
「あの頃はマコに甘えすぎてた。苦労かけさせずに、俺が幸せにしてあげなきゃいけなかったのに……本当にごめん。この十年反省し続けたんだ」

 テーブルに前髪がつきそうなくらい頭を下げる彼は、声色からも適当に謝っているわけではないとわかる。

 離婚話をした時ですら、こんな必死さはなかった。たぶんひとりで自分を見つめ直して、本当に反省したのだろう。

 とはいえ、今さら元サヤに戻るという選択肢は、私にはまったくない。

 樹はぱっと顔を上げ、切実そうに訴えてくる。

「俺、変わったんだよ。もう絶対悲しい思いはさせない。失望もさせないから──」
「やめて」

 抑揚のない冷たい声で言葉を遮られ、樹は押し黙った。 私の顔も、さっきとは打って変わって歪んでいるはず。

「私がどれだけ悩んで離婚を決めたと思ってるの? 簡単に関係を戻せるなら、そもそも離婚なんてしてない。何度も裏切られてきたのに、変わったって言われても今さら信じられるわけないじゃない」