アラフォーバツイチ、花ざかり。

 どうやら、そこからちゃんと立ち直れたらしい。

「でも、さすがにそれじゃ生きていけないからさ。どうすれば自由に働けるんだろって考えると、やっぱ自分で起業するか店やるしかないじゃん。で、社長は絶対無理だから店だな!ってなって今に至る」
「よっぽどラクに働きたかったのね……」

 あっけらかんと笑う能天気な彼に苦笑する私。今もギャンブルをやっているのかはわからないけれど、自分で開業しようという気になって、しかもちゃんと成功させたのは素直に褒めたい。

「始めるのが一番労力もお金もかかったと思うけど、よくやれたね」

「いやー、実は最初にやってたのは先輩で、俺はバイト感覚で手伝ってたんだ。その人が別のことするっていうから、丸ごと譲り受けた感じ。だから初期費用はほとんどかかってない」

「なるほど……。樹ってほんと運がいいし、人にも恵まれてるよね。あなたの人たらしな性格がそうさせるのか」

 男女関係なく好かれる人だし、自然と周りに助けてもらえるのかもしれない。それが樹の魅力でもある。

 そして、料理が好きだからこそキッチンカーをやれているはず。なんだかんだ、自分自身をよくわかっていることが成功の秘訣なのだと思う。