アラフォーバツイチ、花ざかり。

 社長の代わりに茂木くんが社用車を出してくれて、皆で目的地へ向かった。

 展示場がひとつの街のようで、タイルでできた道を挟んでデザイン性の高いモデルハウスが並んでいる。入り口周辺にはキッチンカーがいくつか見え、駐車場に車を停めるとわくわくしながら向かう。

「さすが、総合の展示場は気合い入ってますね」
「こういうイベントいいよね。うちみたいな小さなとこにもキッチンカー出してもらえたらいいんだけど」

 茂木くんと真面目に語っていたのに、星野ちゃんと小須田さんは食べ物のほうに夢中になっている。

「クレープいい匂い~。食べたい……!」
「あとで皆で食べましょうよ。私、キャラメルにする」
「もう、目的がクレープになっちゃうじゃないですか~。私はシャインマスカットで」

 呆れたように言いつつ、ちゃっかりメニューをチェックしている私。なにげに茂木くんも反対側にあるキッチンカーを指差す。

「あっちのピザも美味しそうですよ」
「いいわねぇ。社長にもなにか買っていってあげましょうか」

 すっかり仕事を忘れていそうな皆に、まあこうやって楽しむのもいいよね、と笑いをこぼしたその時。

 お客さんに「ありがとうございました~」とピザの入れ物を手渡す店員の男性を見て、私は目を見開きひゅっと息を呑んだ。