アラフォーバツイチ、花ざかり。

 三牧社長は今、建築コンペの作品作りに精を出している。わりと大きめのプロジェクトで、これが通ったら社長自身にも箔がつくし、さちいろハウスも新たな案件を獲得できるので一生懸命なのだ。

「たぶん今頃〝結婚したい……〟って思ってますよ。弱った時に誰かいてほしい的なことを、前に言ってたんで」

 この間話したことを思い出して苦笑していると、後輩アドバイザーの星野(ほしの)ちゃんがにこにこ笑顔で言う。

「じゃあ、帰りに皆で看病しに行きましょうか~」
「いいっすね。自分、社長の家見てみたかったんですよ」

 癒し系ふわっと女子の星野ちゃんに続き、強面でなかなか笑わない男、現場監督の茂木(もぎ)くんが同意した。

 星野ちゃんは最年少の二十六歳で、硬派な茂木くんは二十九歳。若手ふたりのフリーダムな発言に、私はぴくりと反応する。

「ちょっと待って、具合悪い時に大人数で家に押しかけるとか……喜びそう~社長は」

 普通なら迷惑になるところだけれど、寂しがり屋の社長は喜ぶだろうなとすぐに思い直した。今日の視察も行きたがっていたし。

 おそらく皆も共通認識なのだろう。うんうんと頷いて笑い、小須田さんも「決まりね」と賛同してくれた。