アラフォーバツイチ、花ざかり。

 なんとなく旦那様が折れてくれそうな気がするな。なんだかんだ奥様に甘そう。彼女も嫌みのない子で、今のも半分冗談だとわかるし、きっと自分の意見ばかり押し通すことはないだろう。

 ……ああ、いいな。愛し合っているのが伝わってくる。こんな新婚時代が私にもあったっけ……十年以上前だけど。

 うまくやっていけると信じていた理想が崩れて、離婚という道を選んでから、自由なひとりの生活を謳歌してきた。稼いだお金も、時間も自分のためだけに使えるし、行きたいところに好きな時に行けてやりたいことをやれる。控えめに言って最高だ。

 こんな私に付き合ってくれる仲間もいるし、愛は漫画やドラマで補給できる。むしろ妄想のほうが自分に都合よくできていいかもしれない。

 仕事も安定していて、プライベートも充実している。けれど、なぜか……時々満たされない感覚を覚えて、虚しさに襲われるのだ。

 ご夫婦はモデルハウスを見てだいぶイメージを掴めたらしく、晴れ晴れとした表情で挨拶をして帰っていく。彼らを見送っている今も、また言いようのない空虚感を抱いている。

 私はこのままひとり年老いていくんだろうか。老後は老人ホームに入ればまだ楽しく余生を過ごせるかな……。