アラフォーバツイチ、花ざかり。

 なんの言葉も出てこなくなって縮こまっていると、恐れおののいたかのごとく男たちが後退りする。

「な、なんかイケオジ出てきた……!」
「おじおばカップルかよ……」

 最後まで口を慎むということをできずに、ふたりは逃げるようにそそくさとコンビニへ向かう。ほんと失礼な子たち、と軽く睨んでいたものの、透也が「行くぞ」と肩を抱いたまま歩き出した。

 逞しい腕に包まれるこの感覚、久しぶりすぎて緊張してしまう。おとなしくされるがままでいると、ほどなくしてすっと手が離された。

 ほっとするような、ほんの少し寂しいような、なんともいえない感情を抱く私に、透也はいつも通りの涼しげな顔で言う。

「まさかあんな若い連中に絡まれてるとは。電話も急いで切ってしまった」
「あ、ありがとう。本当に」

 まだ動揺している胸を抑えてお礼を告げた。急いで助けに入ってくれたというのも嬉しいし、大人の余裕を見せつけた彼はお世辞抜きにカッコよかった。

 こんなにドキドキしたのはいつぶりだろう。なんだか透也の顔を見られなくて、街灯に照らされた街に視線を泳がせてへらりと笑う。

「あんなふうに女扱いされるの久々だったから、出まかせでもちょっと嬉しかったよ」
「出まかせじゃないけど?」