アラフォーバツイチ、花ざかり。

 男たちはあっさり手を離し、あからさまに残念そうに頭を抱える。

「うわ、ショックだわー。酔って視力が衰えちまったかー」
「肌のハリっつーかキメっつーか、なんか違うよな」

 解放されてよかったものの、失礼な発言のオンパレードで怒りのボルテージがみるみる上がっていく。私の額にはピキッと怒りマークが刻まれていることだろう。

 確かにアラフォーだけれども。いくら酔っているとはいえ、勝手に絡んでおいて女性を侮辱して……許せん。物申さずにはいられない。

「あのねぇ、あんたたち言っていいことと悪いことが──!」

 お説教してやろうと思ったその時、背後からまたしても肩を抱かれて一瞬息が止まった。ふざけていた男たちも静かになる。

 振り仰いだ先にあるのは、軽蔑と呆れが混ざったような透也の顔。

「愚かだな、君たちは。こんなにいい女を逃すなんて」

 彼の言葉に驚き、私は目を見開く。

「まあ、その年じゃまだわからないか。彼女の魅力は」

 わずかに笑みを湛えてちらりと見下ろされ、どくんと心臓が音を奏でる。

 ……これは私のためについた、その場限りの出まかせ。そうわかっているのに鼓動が速まってしまうし、守るように肩を抱く手も全然嫌じゃない。