アラフォーバツイチ、花ざかり。

「ひゃっ……すみません!」
「いえいえ~こっちこそ~」
「お姉さん、サーセン! こいつ酔っ払ってて~」

 ぶつかった彼も、彼と肩を組むもうひとりも、顔が赤くとても陽気になっている。大学生くらいだろうか。

 若気の至りね、なんて思いながら去ろうとしたものの、ぐっと肩を抱かれてギョッとした。

「ちょ、ちょっと!」

 驚いて引き離そうとするも、酔っ払いたちはお構いなしに顔を近づけてくる。

「もう一軒行くつもりなんですけど、お姉さんも一緒にどうっすか?」
「これから俺たちと楽しもうよ」
「うっ……遠慮しておきます」

 ぞわぞわっと鳥肌が立ち、お酒の匂いについ顔をしかめた。

 こんなふうに絡まれたのはいつぶりだろう。しかもオジサンではなく、ひと回り以上年が離れていそうな若い子たちに。いったい私のことを何歳だと思っているのだろうか。

 いくつになっても、好意のない男性にまとわりつかれるのは不快すぎる。抵抗していた時、私とぶつかったほうの男の子がぴたりと動きを止めた。

「んん? なんだ、よく見たらオバサンじゃん」
「あ、マジだ」

 私の顔をじっと覗き込んで口にされたひと言で、一気に真顔になった私は「は?」と無愛想な声を漏らした。