「「あ」」
入ってきたスーツ姿の男性と目が合い、お互いに驚いてぱかっと口を開けた。またしても会ってしまった、意地悪な一級建築士に。
こちらに向かってくる彼を、私は唖然としたまま見上げて言う。
「え、なんでここに……!?」
「この間タクシーで帰る時、カジさんが『トーヤくんの家の近くにハッピーアワーやってる店があるぞ』って教えてくれた。そういえば今日までだったなと」
「ああ、カジさんが」
以前ここでバツイチ同盟の会を開いたこともあり、カジさんも時々近くに来ると寄ると言っていたっけ。きっとその時にハッピーアワーの期間があることを知って、網坂さんに教えたのだろう。
それは納得したけれど……今、『トーヤくんの家の近くに』って言ったよね?
「網坂さんの家って近いの?」
「そこの橋渡って少し歩いたとこにあるマンション」
「嘘! 私もここからすぐなんだけど」
まさかの事実が判明して、私は思わず声をあげてしまった。
私が住む小さなマンションは、川沿いにあるこの中華料理屋から、橋を渡って徒歩三分。そこからさらに五分ほど歩いたところに、お高そうなマンションがいくつか建っているのだが、彼がそこの住人だったとは。
入ってきたスーツ姿の男性と目が合い、お互いに驚いてぱかっと口を開けた。またしても会ってしまった、意地悪な一級建築士に。
こちらに向かってくる彼を、私は唖然としたまま見上げて言う。
「え、なんでここに……!?」
「この間タクシーで帰る時、カジさんが『トーヤくんの家の近くにハッピーアワーやってる店があるぞ』って教えてくれた。そういえば今日までだったなと」
「ああ、カジさんが」
以前ここでバツイチ同盟の会を開いたこともあり、カジさんも時々近くに来ると寄ると言っていたっけ。きっとその時にハッピーアワーの期間があることを知って、網坂さんに教えたのだろう。
それは納得したけれど……今、『トーヤくんの家の近くに』って言ったよね?
「網坂さんの家って近いの?」
「そこの橋渡って少し歩いたとこにあるマンション」
「嘘! 私もここからすぐなんだけど」
まさかの事実が判明して、私は思わず声をあげてしまった。
私が住む小さなマンションは、川沿いにあるこの中華料理屋から、橋を渡って徒歩三分。そこからさらに五分ほど歩いたところに、お高そうなマンションがいくつか建っているのだが、彼がそこの住人だったとは。



