アラフォーバツイチ、花ざかり。

 そうやって明るく茶化したものの、その笑みは徐々に憂いを帯びていく。

「……私、もう失敗したくない。透也とは、ずっと一緒にいたい」

 彼女はぽつりとこぼして、繋いでいないほうの手で俺の腕にきゅっと捕まった。

 『失敗したくない』というのは、もう結婚はしたくないという意味なのかもしれない。

 お互いに一度苦しい別れを経験したから、臆病になる気持ちはよくわかる。相手を信頼していないわけではなく、ただ漠然と〝いつか別れが訪れるのでは〟という不安があるのだろう。

 俺も、再婚したいかと聞かれたらまだなんとも言えない。結婚という形にこだわらなくても、愛さえあれば一緒に生きていけるのだから。

 昼間に雑貨屋で指輪を見た時も、いつかプレゼントしたいと思う反面、真琴にとっては縛られるようで重いだろうかと考えてしまった。

 だが、これだけははっきりしている。

「安心しろ。なにがあっても、俺は絶対に君を離さないから」

 細い身体をしっかりと腕の中に閉じ込め、強く誓った。冷たい嘘も、裏切りも、この愛の中には微塵もない。

 真琴も背中に手を回して応えてくれる。お互いが、人生最後の最愛の人になればいい。