アラフォーバツイチ、花ざかり。


 六月後半の約束の日、俺たちは軽井沢へやってきた。

 東京から適度に離れた距離感もちょうどよく、俺はしばらく住んでいたので案内もできる。落ち着いたデートをするにはぴったりじゃないだろうかと、ふたりで話してここに決めた。

 今日の真琴はタイトなロングスカートに、丈の長いサマーカーディガンを羽織った女性らしいスタイルで、ルーズに纏めた髪も似合っていてとても可愛い。

 彼女が助手席に乗った瞬間、甘すぎずいい香りがふわりと漂うのも相まってドキッとしてしまった。

 家が近いせいでいつもは車を使わないので、彼女を乗せたのは初めてだ。運転している最中、隣からなんだか熱い視線を感じたのは気のせいではないと思いたい。 

 約二時間ドライブをして、軽井沢の中心地に到着。どこを見渡しても新緑が広がり、日差しを浴びてより鮮やかに見える。

 車を降りると、真琴はとても気持ちよさそうに伸びをして、新鮮な空気を吸い込む。

「軽井沢はやっぱり涼しいね~。空気が美味しいってはっきりわかる」
「ああ、歩くのにもちょうどよさそうだ。たくさん光合成してくれ」
「ふふ。今日はアームカバーも帽子もないからね」

 花が咲いたように笑う彼女に胸をくすぐられつつ、当たり前のように手を繋いで歩き出した。