それより、俺の中ではまだすっきりしていない問題がひとつある。藍奈のことだ。
──数週間前、駅で偶然藍奈と会った時は驚いた。
俺はしばらく東京を離れていたのもあって、彼女がどうしているのか詳しくは知らないが、今はわりと近くに住んでいるのかもしれない。
しかし嫌な感情は湧かず、お互いに『久しぶり』と笑顔で接することができた。それはおそらく、新たに大切な人ができて、藍奈が完全に過去の人になったからなのだろう。
彼女も雰囲気が柔らかく、十年前とは少し変わったなと直感的に感じた。
『会えたら言おうと思ってた。私ね、再婚するの』
その報告を聞き、変わった理由がわかった。『透也より年上で彼もバツイチだけど、穏やかで優しい人よ』と話す表情も穏やかだったので、彼女もきっといい人と巡り会えたのだろう。
不思議と彼女の言葉も信じられた……というより、信じたいと思った。藍奈にはそばで支えてくれる人が必要だろうから。
『そうか、おめでとう。俺は藍奈が抱えているものを理解して、寄り添ってやれなかったから、その人とうまくいくように願ってるよ』
心から祝福すると、藍奈はやや目を丸くした。
──数週間前、駅で偶然藍奈と会った時は驚いた。
俺はしばらく東京を離れていたのもあって、彼女がどうしているのか詳しくは知らないが、今はわりと近くに住んでいるのかもしれない。
しかし嫌な感情は湧かず、お互いに『久しぶり』と笑顔で接することができた。それはおそらく、新たに大切な人ができて、藍奈が完全に過去の人になったからなのだろう。
彼女も雰囲気が柔らかく、十年前とは少し変わったなと直感的に感じた。
『会えたら言おうと思ってた。私ね、再婚するの』
その報告を聞き、変わった理由がわかった。『透也より年上で彼もバツイチだけど、穏やかで優しい人よ』と話す表情も穏やかだったので、彼女もきっといい人と巡り会えたのだろう。
不思議と彼女の言葉も信じられた……というより、信じたいと思った。藍奈にはそばで支えてくれる人が必要だろうから。
『そうか、おめでとう。俺は藍奈が抱えているものを理解して、寄り添ってやれなかったから、その人とうまくいくように願ってるよ』
心から祝福すると、藍奈はやや目を丸くした。



