アラフォーバツイチ、花ざかり。

「透也のこと、ずっと好きでいさせて」

 涙が頬を伝ったまま微笑んで返すと、愛しそうに瞳を細めた彼の顔が近づく。濡れたまつ毛を伏せ、唇を重ねた。

 彼の匂い、吐息、唇の感触、すべてが甘くてくらくらする。

 触れるだけの口づけをした後、透也は親指で私の頬を拭い、目尻にもキスをした。くすぐったくてふふっと笑うと、すぐにまた唇を塞がれる。今度のキスは、少ししょっぱくて長い。

 心臓が痛いくらい大きく、速く脈打っていて苦しい。まるで初めてのキスみたいに。

 唇が離されると、私はへにゃっと彼の胸にくっついて呼吸を整える。

「……どうしよ、ありえないほどドキドキしてる。四十にもなっておかしいよね」
「いや、俺もだから」
「えぇ?」

 返ってきた声は淡々としているし、透也がドキドキしているとも思えなくて半信半疑で見上げた。

 その頬は、じっくり見ないとわからないくらいほんのりと赤く、ふいっと目だけを明後日のほうへ向ける。

「久しぶりなのもあるけど、真琴とは初めてなんだから俺だって緊張する」

 どうやら照れているらしい貴重な顔を拝めて、胸がきゅうぅっと締めつけられた。