アラフォーバツイチ、花ざかり。

「なるほど……ただマウントを取っただけ、とはちょっと違う感じがするね。騙そうとしたっていうより、本当に自分を守るためみたいな」

 電話で聞いただけだけれど、彼女の声や話し方からは悪意を感じなかった。あれでは嘘を見抜くのは難しい気がする。

 きっと透也もそうだったのだろう。離婚したのは不倫のせいだけではなく、藍奈さん自身の問題でもあったのね。

「何度も嘘をつかれて、女性を信じられなくなった。でも、真琴の言葉はどれも本当だと思えたんだ。いつも実直で、裏表がないから。君の前向きな考え方も素敵だと思うし、そこに惚れた」

 こちらに向けられた瞳はとても優しく、甘さを含んでいて胸が締めつけられた。

 『惚れた』なんて言われるのは初めてで、嬉しくて頬が熱くなってくる。が、訂正しておかなければいけないことを思い出し、バッと彼のほうを向く。

「ごめん、透也。私、ひとつだけ嘘をついた」

 ほんの少し身構える彼に、私は決まりが悪くなって肩をすくめて白状する。

「透也が誰と仲よくしようと関係ない、って言ったこと。本当はそんなの嫌だし、仲よくするのは私だけにしてほしかったけど、あの時はつい意地張っちゃって……」