アラフォーバツイチ、花ざかり。

 対する私は、恋は実りそうもなく、友達は遠くなっていくばかり。元旦那ともいい関係を築けず、コンテストでも結果を出せなかった。

 前に進めていないのは、なにも残せていないのは、私だけ──。

 マンションの最寄り駅に戻ってきた時、すでに空は濃紺に染まっていた。闇に呑まれた街を、今度こそ帰途につくためとぼとぼと歩く。

 橋の上を渡っている最中、なんとなく足を止めて川のほうに目をやる。ビルや街灯の明かりに囲まれた川の上だけ、遮るものがなく空が覗いていて、綺麗な景色だ。

 橋の柵に手をかけてそれをぼんやり眺め、バッグの中からコンテスト作品を試し刷りした用紙を取り出した。

 もう必要ないし、ここに供養してあげようかな。そんなふうに思い、潔く破こうとした時、誰かが駆け寄ってくる気配に気づいて手を止めた。

 次の瞬間、ぐっと手首を掴まれて息が止まりそうになる。

「おい、なにしてる」
「と、うや……!」

 予想外の人物の険しい顔が間近にあって、私は目を見開いた。

 び、びっくりした。今帰ってきたのかな。いや、マンション方面から来たし、どこかへ行くつもりなのか。