アラフォーバツイチ、花ざかり。

 なんとなく家でひとりになりたくなくて、かと言って皆に慰めてもらう気分でもないので、ふと思い浮かんだ場所へ行こうと電車に乗ってみた。

 降りたのは実家の最寄り駅。ただし目的地は実家ではなく、小学校へ行く途中にある、あのノスタルジックなおばあさんの家だ。もしもそれを見られたら、少しだけでも心が癒されるかもしれない。

 昔のおぼろげな記憶を辿って、おそらくここだろうという場所に出た。しかし、そこに大正ロマン風の家はなく、辺りは整備されてアパートが建っている。

「なくなっちゃったか……」

 肩を落とし、物寂しさを抱いて呟いた。二十五年以上も経っているのだから、変わっていても仕方ないけれど。

 あの懐かしくて温かな場所はもうない。私が作った作品も、意味を成さないものになってしまった。

 私はなにも成し得ていないな。離婚したあの頃から、なにも変わっていない。周りはどんどん変わっていくのに。

 学生時代からの親友たちは、かけがえのない子供を産んで幸せな家庭を築いている。樹は一生懸命になれる仕事を見つけて、内面的に成長した。

 カジさんは大切な人ができて、瑠利ちゃんも新たな未来のために動き出していて……透也は、藍奈さんとの仲を修復している。